近年は分析機器の性能が上がったために、わずかなコンタミが試験結果に影響を及ぼすことが少なくありません。
わずかなコンタミで試験結果に影響を及ぼすということは、人の目でコンタミに気づけないということが十分生じるということです。
そのため、分析を行う際の試料調製には細心の注意を払って行うことになります。
ただ、個人的にはどんなに気をつけていたとしてもコンタミをゼロにすることはできないと考えています。
分析初心者の時はコンタミについてそれほど注意せずに分析を行いますが、ある時コンタミによる分析失敗にぶち当たる日がきます。
その時、明確に原因がわかれば良いのですが、基本的にコンタミに気付くのは試料の調製後の分析終了後ですので、振り返ってコンタミの原因を特定できることは非常にまれです。
それでも色々と原因を推測して次回以降の分析の際に対策を行います。
試料調製の開始前に机をエタノールで拭いてみたり、使用する器具類を事前に調製溶媒で共洗いしたり様々な自分ルールを追加していきます。
結局は最善を尽くしたとしても、コンタミがゼロになることはありませんので、有効性の低い自分ルールができてしまうこともあります。
このような状態を続けていくと、ルールが増えすぎて手間とリターンが見合わないと感じることがあると思います。
私も突発的なコンタミは避けられないため、有効性が高いと思われるルールのみ残してその他のルールは省略するという考えになりました。
経験とともにコンタミについての知識経験は自ずと増えていくものですので、経験者に事前に注意点を聞いておくのも大事だと考えています。