今日はモデル生物について復習していきたいと思います。
モデル生物とは
モデル生物とは、モデルのようにスタイルの良い生物 ではなく、その生物だけでなく、広く生物一般に見られる生命現象を研究する際によく用いられる生物のことです。
例えば、動物であればマウスやメダカ、植物であればシロイヌナズナやミヤコグサ等です。
モデル生物に求められる条件とは
どんな生物でもモデル生物として用いられるわけではなく、選ばれる理由があります。
以下にモデル生物に必要な性質を挙げます。
・扱いやすい
・飼育、維持しやすい
・世代交代が早い
・ゲノムサイズが小さい
・遺伝子組み換え技術が確立されている
モデル生物ということで、当然実験に用いることになるのですが、その際に、大きかったり、凶暴であったりしたら、まともに実験出来ませんので、扱いやすさは重要な要素になります。
また、現在の生物学は遺伝子に関する考察は必須になってきていると思いますので、遺伝子組み換え技術などが確立されているということは、モデル生物としてはかなり重要で、前提条件かと思います。
分子遺伝学的な実験を行うにあたり、ゲノムサイズが小さいことや、世代交代が早い点は実験的技術の適用しやすさや、実験結果の確認の迅速性に関わる重要な性質になります。
モデル生物を利用するメリットは
モデル生物の条件自体がそもそも実験生物として取り扱うメリットにもつながっています。
その性質からモデル生物は多くの研究者が利用することになります。
そのため、その生物に関する知見の蓄積はその他の生物の比ではありません。
競争は激しいということにもなりますが、知見の蓄積が多いということは、研究者自身の研究の進歩につながる手法が早く得られる可能性があるということです。
例えば、マイナーな生物を取り扱っていた場合、モデル生物では適用できる実験手法がまだ適用されていないということがあります。
その場合はその手法の確立を行うことから始めなければなりませんので、主目的の研究に進むまでのハードルがあることとなります。
まとめ
モデル生物とは、研究に用いるにあたり、実験に適した性質を有しており、また、多くの研究者が利用するため、知見の蓄積が多く共有されており、研究の幅を広げやすいメリットのある生物だと言えます。
モデル生物の研究は生命一般に見られる普遍的な研究で面白みがあると思いますが、モデル生物以外の生物についても、一筋縄では研究が進まない楽しさもあると思います。
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