今日はガスクロマトグラフィーについて復習していきたいと思います。
クロマトグラフィーについては過去記事のこちらも読んでみてください。
ガスクロマトグラフィーとは移動相として気体を用いるクロマトグラフィーで、GCと略されます。口頭の場合はガスクロと言うことが多いです。
分離の原理は?
ガスクロマトグラフィーでは、気体試料もしくは液体試料を気化させたものをカラムに導入し、ヘリウムや窒素などのガス(キャリアガス)で流し、固定相を充填または塗布したカラム内で分離します。
装置の構成は?
ガスクロマトグラフは試料導入部、カラム、カラムオーブン、検出器、データ処理部からなります。
ガスクロマトグラフィーでは気体状態で分析を行なうため、液体試料の場合は、気化させる必要があります。
液体試料の場合は、試料導入部で気化した試料をカラム内に導入します。
この時、気化した試料全てを導入する全量注入と、気化した試料の一部のみを導入するスプリット注入があります。こちらについては後日別に書きたいと思います。
気体状態で分析を行なうため、カラム内ももちろんある程度高温である必要があります。試料は気体の状態でカラムに入り、固定相と移動相との間で分離されます。
液体クロマトグラフィーと違い、カラムオーブンは一定温度のみならず、経時的に温度を上げていく昇温プログラムを組むことがあります。
温度を上げながら分析することで、低沸点の物質と高沸点の物質の混合物を測定する際、時間短縮になります。また、目的成分を検出した後に高温にすることで、不要な高沸点成分を焼き出すような設定も可能です。
昇温分析を行なった場合、初期温度に戻るまでと、温度が戻ってからベースラインが安定するまでは次の測定を行わないように注意しましょう。
検出器はFIDがもっともポピュラーなものかと思います。
検出器まで流れた試料を水素炎で燃焼した際のイオン電流を検出します。
燃焼させることで検出するため、燃焼しない無機化合物や、含まれる炭素数が少ないものについては、感度が弱くなります。
FIDについては以下の記事も読んでみてください。
ガスクロ◇水素炎イオン化検出器◇FID◇原理◇仕組みは? - 理系サラリーマンの趣味と勉強
無機系試料を測定する場合はTCDなどがよく用いられます。
おすすめの書籍は?
ガスクロもかなり歴史のある分析方法ですので、多く書籍が発行されています。
個人的にQ&A形式の本が好きなこともあり、この二冊の本は非常におすすめです。
やはり、困ったときにはQ&A形式の本がわかりやすいですね。
Q&Aを読みながら実際に自分でも機器を触ってみることですこしずつ理解が深まっていくと思います。