今日はガスクロマトグラフィのスプリットレス注入についてまとめたいと思います。
スプリット注入については以下にまとめましたので、よかったら読んでみてください。
ガスクロマトグラフィ◇スプリット注入とは - 理系サラリーマンの趣味と勉強
スプリットレス注入とは
スプリット注入では、注入した試料の一部のみをカラムに導入するのに対して、スプリットレス注入では、注入した試料のほとんどをカラムに導入します。
インサート内で気化した試料は比較的ゆっくりとカラムに導入されることとなります。
そうすると、得られるピークがブロードなものになってしまいますので、スプリット分析の際は、カラム初期温度を低く保ち、カラム先端で試料を濃縮する、溶媒効果やコールドトラップという手法が用いられます。
スプリットレス注入ではピークがブロードになりやすいので、ライナーは内径の細いものを利用するとピーク形状が改善できます。
また、全量注入とは違いますので、その点はご注意ください。
スプリットレス注入のメリットは
・試料を排出しない分、低濃度の試料も検出することができ、高感度分析が可能。
・カラム初期温度を下げることで試料をカラム先端に濃縮させる溶媒効果やコールドトラップが適用可能
スプリットレス注入のデメリットは
・カラムへの導入試料が多いので、キャリーオーバーなどの影響が出やすい。
・ライナーの容量が小さすぎた場合、気化した試料がオーバーフローしてしまうことがある。
・サンプルがライナー内に滞留する時間が長いため、吸着や分解などの影響を受ける場合がある。
スプリットレス注入のコツ
微量分析が必要な分析に使用するようにしましょう。気化した試料がライナー内でオーバーフローしないようテーパーを設けたライナーを使用すると良いと思います。
ライナーの内径は小さい方がスプリットレス注入には有利です。